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はじめに慢性的静脈不全(ChronicVenouslnsuthciency)にかかると、毛細管庄が上がるため、静脈性高血圧症(Venous Hypertensive Angiopathy)と呼ばれる局所的微小循環障害にかかりやすくなる。 この静脆性高血圧症は、皮膚細胞の栄養不良や酸化を引き起こす。 局所的に妨げられた微小循環の結果として起こる組織の低かん流により、細胞への酸素供給は不十分となり、最終的に細胞は死んでしまう。 この皮膚細胞の壊死の過程において、潰瘍が発生し、下肢部から皮膚がはがれ、保護されなくなった組織は感染し、その患者は極度に治癒しにくく、むき出しで無防備な組織は傷つき、いわゆる‘むき出しの足’という状態になる。 ピクノジェノールは、慢性的静脈不全の兆候(Petrassiら 2000、Arcangeil 2000、Koch2002、Ric-cioniら 2004)および長時間フライト中の静脈にかかる高圧力により起こる浮腫形成(Belcaroら2004)を抑制する効果がある事が認められているため、今回、実際に慢性的静脈不全および下肢部の潰瘍形成にかかっている患者達を対象に臨床研究が行われた。 1・対象被験者および試験方法深刻なCVI(慢性的静脈不全)患者で、潰瘍形成がおこった人がこの試験には含まれる。 全ての被験者は何らかの血栓症を既往症として持ち、潰瘍形成は彼らの既往歴の中で一度、またその障害が少なくとも2カ月続いた者である。 現時点で医学的治療を必要としている人、骨または関節に深刻な問題があり行動が制限されている人、過去6カ月以内に血栓症にかかった人および現在血栓症状のある人を除外した。 2・処方1つ日のグループ(6名)に50mgのピクノジェノールを1日に3度経口にて摂取させた。 2つ日のグループ(6名)には上記処方に加え、局所塗布(パウダー)の処方も行った。 残りのグループ(6名)はコント一三.ロールのグループであった。 潰瘍の箇所を入念に魂浄し、さらにぬるま湯と蒸留した軽い消毒液(Citrosil)で消毒した後、潰瘍形成箇所をティシュペーパーrで乾燥させ、潰瘍の表面層にピクノジェノールのパウダーを塗布する(100g)浮腫を抑制するために、潰瘍部分に非アレルギー性のペーパーを置き、Tensoplastという伸縮性がある粘着包帯を巻きつける。 最後に下肢用の圧迫ストッキングをかぶせる。 ピクノジェノールの塗布を含めたこの療法は2日毎に交換する。 この処方を6週間続けた。 微小循環評価(1週間6週間後みとして、経皮の酸素分圧PO2)および経皮の二酸化炭素分圧PCO2の経皮的計測を複合的に行った。 微小循環において、PO2の増加およびPCO2の減少を評価することが目的である。 この試験への耐用性と適応性は被験者に直接口頭で行われた。 その中で特に、全身や皮膚に対するアレルギーやその他の異状反応の兆候といった・変化が考慮された。 症状スコア(0=症状なし〜 10=重度な症状)の変化もまた処方開始時、4週間・後および実験の最後に記録された。 潰蕩の大きさは初期および2、4、6週間後に測定された。 3・結果18名の被験者のうち16名が実験を完了し、2名は各種手配の問題で完了が困難となった。 3グループ間の年齢および性別の配分は均等にされた。 潰瘍形成サイズの減少は経口および塗布両方を組み合わせ処方したグループにおいてより顕著であった。 処方開始6週間後において、組み合わせ処方のグル−プの潰瘍は完全に消え、また、症状スコアも消えた。 経口処方単独のグループについても、潰瘍のサイズおよび症状スコア両方において、コントロールグループと比較してより有意に減少した。 潰瘍の大きさおよび症状スコアの減少は、標準の処置(試験方法参照;圧迫ストッキングおよび潰瘍の洗浄)を施したコントロールグループにおいても見られたが、治癒のスピードはピクノジェノールの2グループよりも遅かった。 処方開始時と6週間後の経皮pO2およげ経皮pCO2の比較においては、ピクノジェノール処方グループに大きな微小循環の改善が見られた、すなわち、酸素圧が有意に増加し、二酸化炭素圧が低下した。 同様の効果はコントロールグノウープでは見られなかった。 耐容性に関しては問題もなく、全てのグループにおいて、好ましくない効果は報告されなかった。 おわりに潰瘍形成は、静脈性高血圧や浮腫や感染症と合併症を起こすため、治りにくいことが多い。 経口と塗布の組み合わせ処方により、6週間後に潰瘍は大きな治癒効果があったと明言できる。 効果的な通常の処方と比敦して治癒が予想以上に早いという理由として考えられることして、周知のようなピクノジェノールの幾つかの効能の組み合わせが作用していると思われる。 慢性的静脈不全の症状を軽減することは、幾つかの研究により証明されており(Petrassiら 2000、Arcangeil 2000、Koch 2002、Riccioniら 2004)、そのため潰瘍症状になる基礎症状は改善するのであろう。 ピクノジェノールの処方による傷の治癒速度が、ピクノジェノールのジェルにより加速することは報告されている(Blazoら2004)。 NFkB、シクロオキシナーゼ抑制効果(Hoeggerら2005)およびその接着因子(Bitoら2000)といったピクノジェノールの抗炎症効果もまた傷の治癒を促進することに寄与してい るのであろう。 ピクノジェノールの静菌作用(CalvoTorrasら 2005)も下腹部の潰瘍治癒を助力しているに違いない。 さらに親模を拡張した研究が必要ではあるが、このパイロット試験結果は、ピクノジェノールの経口および塗布の組み合わせ処方が静脈潰瘍の治療という困難な課題に新しい解決法を提案している。 参考文献1)Petrassi C,Mastromarino A,SparteraC.:PycnogenolRin chronic venous insufficiency.Phytomed7(5),383-388(2000) 2)Arcangeli P.:PycnogenolR in chronic venous insufficiency.Fitoter71,236-244(2000) 3)Koch R:Comparadve study of VenostasinR and Pyc−nogenolR for treatment in chronic vvenous insufficiency.Phytother Res 16,1-5(2002) 4)Riccioni C,SarCinella R,Izzo A,Palermo G,Liguori L..:Efficacy of Troxerutinein associationwithPycnogenolR in the treatment of venous insufficiency.European Bulletin of Drug Recearch 12(1),7−12(2004) 5)Belcaro G,Cesarone MR,Ricci A,Ippolito E,Bran-dohli R,Dugall M,Grifh M,Rufhi I,Acerbi G,Vin-ciguerra MG,Bavera P,DiRenzo A,Errichi BM・:Prevention of venous thrombosis in long-haul flights withPycnogenolR.Clin Appl Thromb Hemost,in print(2005) 6)Blazso G,Gabor M,Schonlau F,Rohdewald P・:Pyc-nogenolR accelerates wound healing and reduces scarformation.Phytother 18,579−581(2004) 7)CalvoTorras MA,Adelantado Faura C,Schonlau F,Rohdewald P,:Antimicrobial Activdy of PycnogenolRPhytotherapy Research 19,647−648(2005)
現代社会において、高コレステロール値がアテローム性動脈硬化(症)の深刻な危険因子の1つであることは、周知の事実である。 しかし、高コレステロール値が認められる場合には、詳細にコレステロール値を分析する必要がある。 なぜなら、高LDLコレステロール値のみが、深刻な危険因子であると考えられているからである。 酸化LDLコレステロールは、血管壁に粘着する。 多量のLDLは、血管内における脂肪沈着形成の可能性を高めるため、LDLは「悪玉」コレステロールとされている。 一方、HDLコレステロールは、コレステロールを血管およびその他の細胞から除去し、排出のために肝臓に運ぶ。 血中の高HDL濃度は、心血管系疾患のリスク減と関連するため、HDLは「善玉」コレステロールと呼ばれている。 それゆえ、総コレステロール値のほかに、「悪玉」コレステロールと「善玉」コレステロールの均衡は、心血管系疾患リスクの予測因子なのである。 コレステロール値を下げるのに有効な薬は、数多くある。 しかし、これらの薬には副作用があるので、コレステロール値を緩やかだが減少させ、副作用のあまりない栄養補助食品は、価値のある代替物といえる。 いくつかの臨床試験において、ピクノジェノールの摂取は、総コレステロール値を下げるだけでなく、「善玉」HDLを増やし、「悪玉」LDLを減らす追加効果があることが示されている。
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