ピクノジェノールの抗菌作用

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喫煙の影響

教養ある喫煙者はほとんど喫煙がもたらす危険について良く知っているが、ニコチンに中毒作用があるため、彼らでも禁煙をすることが極めて難しい。
重要な点として大多数の疫病学的研究は、喫煙が原因となって、心臓血管系の病気や卒中、肺がん、急性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(CPOD)や肺気腫が起こるとし、その因果関係を指摘している(Tonnesen and Vermeire、2000)。
喫煙は、また、不可逆的失明の最も一般的な原因となる加齢性黄斑変性症の発症率を高める(Chan、1998)。喫煙は喘息と糖尿病を悪化させる(Traberら、2000)。さらに喫煙は喉頭がん、口腔がん、食道がん、すい臓がん、勝胱がんそして肺がんの危険を増大させる(Nair and Brandt、2000)。
喫煙に依存性が生ずるのは、ニコチンのせいであるとされてきたが、ニコチン自体は発がん作用を持たないと考えられている。喫煙の毒性と発がん性はタバコが燃焼している間に生じる様々な副産物に起因する(Tonnesen and Vermeire、2000)。タバコの煙は4,700以上の化学成分からなる複雑な混合体であり、その中には高濃度の活性酸素やその他の酸化体が含まれる(Bluhmら、1971;Church and Pryor、1985)。タバコの煙はガス相でもタール相でも活性酸素を含んでいる。ガス相における括性酸素は、しかしながら、反応性が極めて高く、タバコ用のフィルターでは不活性イヒすることが極めて困難である。
タバコの煙から発生する活性酸素は、喫煙によって誘発される肺疾患、例えば、慢性閉塞性肺疾患や肺気腫や肺がんなどの病因の1つであると指摘されてきた(Rahman and MacNee、1996)。タバコの煙から生ずる活性酸素は、慢性閉塞性肺疾患を患う喫煙者の体内における炎症を克進させる作用がある。これは、炎症作用を促進する伝達物質であるプロ炎症ミディエーターの発現と保護作用を持つ抗酸化遺伝子の発現を制限する転写因子が活性化するためである(MacNee、2000)。

ピクノジェノールの摂取と喫煙

禁煙に失敗した場合、喫煙がもたらす様々な危険を低減するには、タバコの煙から生ずる危険な括性酸素を体内に吸引する前に除去するか、もしくはその量を低下させることである。フィルターの中にピクノジェノールを含むタバコを使った臨床試験は、一定の成果を出した。ピクノジェノール含有のタバコ用フィルターは、投与量の大小に比例して、活性酸素を除去することが出来た。それと平行した、ラット(ローダント)を使った臨床試験では、毒性と変異誘発性をも減少させた。このネズミを使った臨床試験では、タバコの煙に含まれる急性の毒性が大幅に減少し、0.4mgのピクノジェノールを含有するフィルターを付けたネズミでは、それが
最高で70%も減少した。タバコの煙に75日間慢性的に曝された場合、ピクノジェノール含有フィルターは、最高で48%も変異誘発性を大幅に減少させ、肺組織における病理学的変化を減少させたことが明らかとなった(Zbangら、2002)。残念なことに、フィルターにピクノジェノールを含有するタバコは、中華人民共和国でしか入手できない。
しかし、フィルターの中にピクノジェノールを含有するタバコを喫煙者が購入出来ない場合でも、ピクノジェノールの摂取は喫煙に伴う多くの好ましからぬ影響の一部を低減するのに役立つ。喫煙者が吸い込んだ活性酸素の危険な作用を幾つかの仕方でピクノジェノールは相殺することが出来ると考えられる。まず第一に、ピクノジェノールは活性酸素を強力に捕食し、あらゆる種類の活性酸素を不活性化することが出来る(EIstner and Kleber 1990)。
括性酸素を防御する二番目の作用として、ピクノジェノールは、人体の細胞それ自体の中にある様々な抗酸化物質の生成を刺激し(Weiら、1997;Bayetaら、2000;Maritimeら、2003)、それによって細胞が活性酸素を不活性化する能力を補強する。
ドイツとアメリカの喫煙者を対象とした研究の結果明らかになったのは、タバコを吸う前にピクノジェノールを摂取すると、喫煙によって誘発されると考えられる血小板の凝固を完全に防ぐことが出来そのことによって、血栓症、塞栓症、心筋梗塞や卒中を、結果的に防止出来るということである(Puitterら、1999)。
喫煙は、ストレスホルモンのアドレナリンの産出を2倍にし、その事で血管が収縮し、結果として血圧が上昇する(Blache1992)。ピクノジェノールは、血管壁の細胞に好ましい影響を与えることで、心臓血管系を保護し、動脈を収縮させる物質の生産を抑え、動脈を拡張させる物質の形成を促進する(Liuら、2004;Watson 1999)。ピクノジェノールをサプリメントとして使用した場合、人間の高血圧を低下させることは今後の研究によってさらに明らかにされなければならない(Araghi−Nicknamら、1999)。
タバコの煙に肺が慢性的に曝されていると、慢性的な肺の炎症が起こることがある。いわゆる「喫煙者に固有な咳」は、医学用語では慢性閉塞性肺疾患と呼ばれるが、これは細胞の炎症が原因で起こり、気管支を侵し、たん白質分解酵素を分泌するからである。これらのたん白質分解酵素(プロテアーゼ)は、ゆっくりとかつ継続的に肺細胞を破壊し、肺の酸素吸収能力を低下させる。最後には、健康な肺細胞が失われて、肺気腫が形成され、肢体が不自由な病人となる。ここでも禁煙をすることが、喫煙に伴うこれらの有害な影響を避ける唯一の方法である。
しかしながら、喫煙中毒患者にとっては、細胞組織を破壊するプロテアーゼの作用を制限することにより、病気の進行を遅らせることが出来る。ピクノジェノールはプロテアーゼの活動を制限し、炎症を起こしている細胞からプロテアーゼが産出されるのを抑制する効果があることが示されてきた。
慢性閉塞性肺疾患の特徴の一つは、吸い込まれた酸化体と肺細胞の中にある抗酸化物質の不均衡である。
この不均衡、すなわち酸化ストレスが、慢性閉塞性肺疾患に関わりを持つ多くのプロセスにおいて何らかの役割を果たしている可能性がある(Mac Nee、2005)。それゆえ、抗酸化剤による治療は、慢性閉塞性肺疾患に対する論理的安当性を有する当然の治療法というべきである。

おわりに

ピクノジェノールのような強力な抗酸化剤は、喫煙からの継続的酸化ストレスに悩む患者にとっては、有益なサプリメントになり得る。
ピクノジェノールの効能を要約すると、活性酸素を不活性化し、血管系を保護し、肺組織を破壊するプロテアーゼを制限する作用を持つ。この多岐にわたる効能を有する天然由来成分で出来た製品は、タバコの煙に曝される人々一受動的喫煙者一にとって有益であるのみならず、どうしても禁煙出来ない人々にとってはさらに有益である。

参考文献

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2)Chan D.:喫煙と加齢性黄斑変性症,Optometry and Vision Science 75,476−484(1998)
3)Traber M.G.,’van der Vliet A,Teznick A.Z.,Cross C.E.:タバ±関連疾病:抗酸化栄養サプリメンツの役割Clinic in Chest Medicine 21,173−187(2000)
4)Nair A.K and Brandt E.N.:医療費に対する喫煙の影響Jornal of Oklahoma State Medical Association 93,245-250(2000)
5)Bluhm A C.,Weinstein J.,Sousa J.A.:タバコの煙に含まれる活性酸素,Nature 229,5000(1971)
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9)EIstner E.F.,Kleber E.:leucocyanidineの活性酸素捕食特性,Proc3rd int Symposium on Flavonoids in Biology&Medicine,Singapore,221−235(1990)
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15)Watson R.R:フランス海岸松樹皮抽出物による心臓血管系疾病のリスク因子の低減,Cardiovasc Rev Rep 20,326−329(1999)
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17)MacNee W.:安定性慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療:抗酸化物,Eur Respire 14(94),12−22(2005)

喫煙者のための有益なサプリメント

炎症は、私たちの体のいたるところで起こる。
疾病を説明する単語で-itisで終わるものは、炎症性疾患を表わす。
皮膚炎(dermatitis)は皮膚の炎症、関節炎(arthritis)は関節の炎症、耳炎(0titis)は耳の炎症を指す。
これらの炎症は、痛みの激しい辛い疾病である。
しかし、多くの疾病と合併して起こる軽度の慢性的な炎症は通常、患者は炎症として認識することはない。
喘息・アレルギー・がん・その他の疾病が、炎症性疾患と関係があるとは知らないためである。
 人体の細胞には、防御軍の役目を果たし、侵入してくるバクテリアやウイルスに対して化学武器を使って戦い、炎症を起こすものがある。
これらの細胞は、近距離からがん細胞を混合物質で攻撃し、破壊させることもできる。
このような炎症反応は、おおむね私たちの体に良い働きをしているのであるが、炎症性疾患が制御できなくなると、喘息・肺の慢性炎症・非常に幸い炎症を起こす歯の有毒の炎症のような慢性疾患を引き起こす。
 フランス海岸松樹皮から抽出される特別なエキス、ピクノジェノールは、炎症性疾患に幅広く対抗する万能な武器である。
 ピクノジェノールの成分は、炎症をコントロールするために、戦略的に重要である様々な箇所を妨害する作用がある。
 私たちの体内で生成される炎症性物質の武器庫には、感心させられる。
それは非常に微細な活性酸素から、痛み・腫れ・発赤・発熱などのまさに「炎症」という言葉を作る症状を誘発するたんばく質の集合体にも及ぶ。